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[8318]マンションの共用廊下の冠水について相談

質問者:ぐらすぼっくす / 最新の回答・ご意見者:ぐらすぼっくす / 回答・ご意見数:6件
カテゴリ:家の外回り / 2014年04月01日 22:20

初めて相談の書き込みをいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2013年4月に新築の分譲マンションを購入して入居しました。
2013年7月の集中豪雨の際に、1Fの共用廊下が冠水し、1F住居の玄関前30cmくらいのところまで水が迫りました。
幸いにも床上・床下浸水には至りませんでした。その後、デベロッパーと協議を重ねて分かったことと、現状実施済みの対策は次の通りです。

マンションの設計
・当マンションは想定雨量50mm/hとして雨水排水を設計している。
・雨水排水管は地下貯留槽を経由して市の下水道へポンプ排水+オーバーフロー管排水される。
・市の下水道局が公開している雨水排水管の径を決定する際の指針は降雨量80mm/hである。

冠水時の降水、排水状況
・10分間に20mm、19mm、12mmと、30分間の集中豪雨。この前に降雨なし。一時間あたりに換算すると120mm以上
・地下貯留槽から市の下水道へ流す部分が満流になっていると作動するアラームは作動しておらず、
 市の下水道が満流になっていたわけではない。
・地下貯留槽よりも上流側で水が滞留した。
・同日、付近のマンションで冠水は起きていない。

実施済みの対策(デベロッパーが理事会の承認を得ずに実施)
・地下ピットを通過する横樋の上部に穴を開けてオーバーフロー管を追加設置し、豪雨時に地下ピットへ排水(誘導)。
・地下ピットにはもともと結露水などを排水するためのポンプがあり、地下貯留槽へ向けて排水が行われる。
・冠水が起きたエリアへ雨が落ちる縦樋の屋上排水口を狭くし、雨水の落ちる量をへらした。

住民側の見解
・7月の集中豪雨は1時間あたり120mmを超す雨であり、確かに想定外の豪雨であったといえる。
 とはいえ、当マンションの想定雨量50mm/hは、市の下水道局が公表している数値より低く、
 最寄りの気象観測所の降雨記録を見ても50mm/hを超える雨は過去に何度も降っており
 想定雨量がそもそも低すぎる。設計ミスではないか。

住民とデベロッパーの共通の認識
・冠水が起きたポイントから地下貯留槽までの排水管の排水能力が50mm/hぎりぎりである。
・縦樋が地下で横になるポイント〜地下貯留槽の排水能力を高めないと根本的な対策にならない。

デベロッパー側の見解
・地下貯留槽へ入る排水管はマンションの基礎に穴を開けて通しており、この穴をさらに拡張して
 太いパイプにすることはかなり難しい。
・地下ピットはもともと過酷な環境であり、年に数回の豪雨であれば、地下ピットをバッファとして
 使ってもマンションの基礎が痛む心配はない。


このような状況でございますが、お尋ねしたい点は次の通りです。

1)
・現状で対策済みの地下ピットをバッファとして使う方式は長期的に見て、本当にマンションの基礎に
 悪影響を与える心配はありませんか?

2)
・想定雨量50mm/hは想定が低すぎると思いますが、雨水排水管を太くできないのが事実であった場合に
 どのような補償・対策を求めるのがよいでしょうか。

3)
・屋上の排水口(一部)を狭くする措置が取られていますが、屋上の排水用勾配は当初設計通りのため、
 豪雨時に雨水が屋上に滞留することが予想されます。悪影響はありませんでしょうか。
 また、屋上の排水用の勾配を付けなおし、排水能力的に余裕がある縦樋へ多くの雨が流れるようにする
 工事は現実的でしょうか。
 (地下貯留槽へ入る排水管は2系統あり、片方は多少余裕がある設計となっているようです)


どうぞよろしくお願いいたします。

これまでの回答・ご意見数6

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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福地 脩悦

株式会社 福地建装 / HQ住宅研究所 ファース本部
2014年04月02日 18:30

所在地:北海道北斗市中野通324
URL:http://www.fas-21.com/
PR:「家は創り上げ、育て続ける…

マンション設計と施工においては、様々なデータを参考にして行います。
本質問内容は、先般の豪雨の際にマンション共有廊下が冠水し、個別の玄関先まで水が押し寄せたことの不安からくるものだと思われます。
住民側の不安は当然なのでしょう。

そこで過去に降水量50?を超える事が何度もあったのに、雨水対策設計が50?となっており、当該マンションは設計ミスではないかと言う質問です。
この設計ミスか否かと云う問いには、地下部分にフロー対策がなされていることで設計ミスと断言できないと思われます。

屋上の排水パイプの太さや勾配などは、遣って出来ないことはないのですが、費用面での負担分担が生じてきます。
文章で観る限り、本件事象に法的な瑕疵はないように思われます。

また分譲マンションは、本件のようなケースも含むこと要素がマンション自体の販売価格に凝縮していることを理解すべきで、安心を担保するにはお金が掛かるのです。
したがって住民側は、一定の費用負担も視野にいれるのであれば管理会社と協議することをお勧めします。

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ぐらすぼっくす

所在地:神奈川県
2014年04月06日 22:35

福地様

ご回答頂き誠にありがとうございます。

市の下水道局が80mm/hを想定した雨水排水を推奨している中にあって、
当マンションが50mm/hの設計となっている点は、価格とのバランスで
想定雨量が低いと納得するしかないものでしょうか。

設計ミスというのは言い過ぎかもしれませんが、心許ない状況です。

myph

山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2014年04月03日 17:43

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

状況把握のための質問です。
 
道路のレベル、1階共用廊下のレベル、1階玄関のレベル、敷地・外構のレベル関係を教えてください。
1階は半地下住宅ではないですね?

共用廊下の雨水はどこから溢れてきましたか?
多分、共用廊下の雨排水用の側溝にあるドレンから溢水したものと思われますが、ジワット水が上がってきたのか、勢い良く吹出してきたのか誰か見ていますか?

当日は、道路は冠水しましたか?また敷地は冠水しましたか?

廊下と玄関の間にレベル差があり、そこに溜まったのですか?
30cmは深さですか、平面的な位置ですか?

概略でよろしいですから貯留槽の面積と貯水量、地下ピットの面積、屋上の面積をお知らせ下さい。

排水能力がギリギリということですが、配管サイズは分かりますか?
また雨水の竪樋はどのようにつながっていますか?

1階の平面図に、雨排水配管ルートを書き込んだものを添付していただくとありがたいのですが、後日で結構です。

勝手にやってしまったのはいけませんが、デベロッパーの対策はとりあえずの所一応妥当といえます。
ご質問については、上記の状況が分かってから回答します。
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ぐらすぼっくす

所在地:神奈川県
2014年04月06日 22:31

山本様

ご回答頂き誠にありがとうございます。
返信が遅くなり誠に申し訳ありません。
取り急ぎ、ご質問頂いた内容のお返事を書き込みいたします。

■図面について(添付写真)
右が北です。

当マンションは南向きの棟と東向きの棟がL字に接続したような形をしています。
東向き棟と南向き棟をつなぐ1Fの接続廊下は、それぞれの棟の共用廊下より低く、
ここに水がたまりました。

真ん中よりやや左のEVホールの左側が接続廊下です。
青く塗っている線が雨水排水管で、赤が地下貯留槽と、その先の市の
下水管への接続を示しています。

■雨水の出所など

冠水時に水がどこから流れてきたかというと、東棟、南棟の竪樋の接続部分が
シールされておらず(今はシールされていますが、デベロッパーの説明では、
地震などの際に接続部がフリーになっている方がよいとのことで当初はシール
していなかったそうです)、竪樋の接続部分から勢いよく雨水が噴き出し、
共用廊下へ流れ出して先ほど申し上げた接続廊下部分と共用廊下が冠水しました。


>道路のレベル、1階共用廊下のレベル、1階玄関のレベル、敷地・外構のレベル関係を
>教えてください。


道路とのレベル差は敷地全体が道路より少し高くなっています。
その他の細かな数値はわかりませんが、
冠水した周辺は、接続廊下が一番レベルが低く、その次に南棟の共用廊下、
その次に東棟の共用廊下が高いです。

> 30cmは深さですか、平面的な位置ですか?


平面的な位置として、南棟の玄関ドアからだいたい30cm北側のところ
まで水が迫ったという意味合いでございます。
南棟の共用廊下は住戸玄関側が高く、北側が低くなる勾配がついています。

>1階は半地下住宅ではないですね?


はい、1階は半地下住戸ではありません。

> 当日は、道路は冠水しましたか?また敷地は冠水しましたか?

当マンションから200mほど離れた場所は昔から水はけが悪く道路は冠水しました。
当マンションの敷地とすぐ前の道路は冠水していなかったと思います(未確認)。

> 排水能力がギリギリということですが、配管サイズは分かりますか?
> また雨水の竪樋はどのようにつながっていますか?


添付図面の通りです。
雨水排水管は西側と南東側の2系統があり、どちらも最終的にはそれぞれ150mmの管で
地下の貯留槽へ入っています。雨水排水管勾配10%との記載があります。

デベロッパーからの説明は次の通りです。

「50mm/hの想定雨量にたいして、南東側の受持流出面積は811平米で、150mmの配管の
許容値1,274平米に対して十分な余裕がある。
西側は、受持流出面積1,272平米に対して許容値1,274平米のため余裕がない。」

どうぞよろしくお願いいたします。

画像 »

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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2014年04月09日 17:48

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

図面の添付ありがとうございます。おかげで概要がつかめます。
また、質問の回答も適切です。相談者の皆さんがこのようであればと思います。

オーバーフロー管をどこにつけたのか教えてください。
関係ないところにつけたのでは、効果が期待できません。

冠水時の雨水は「東棟、南棟の竪樋の接続部分がシールされておらず」とありますが、廊下のスラブから立ち上がっている配管に、上の階から立ち下ってきた配管が差し込んであっただけで、シールされていなかったためその隙間から、吹き出たという理解でよろしいですね。
また、雨水の吹き出しは、1,2箇所だけではなく、東棟・南棟の竪管のあちこちからあったということですね?
雨水竪管は真っ直ぐに床スラブを貫通しスラブ下で横に振られるのが望ましい工事方法ですが、工事の手順上床からの立ち上がり管に竪管が差し込まれる形もあります。この場合も隙間をシールしておけば、今回のような溢水事故にはならなかったでしょう。ちょっと以上にお粗末ですね。
屋外の場合は下に側溝や格子桝を設け、竪配管の端部を解放して直接雨水を落とし込む形もあります。

質問への回答です。
(1) 現状で対策済みの地下ピットをバッファとして使う方式は長期的に見て、本当にマンションの基礎に悪影響を与える心配はありませんか?

・・・・設備の技術者が言うのはおかしいでしょうが、心配はありません。地階のある一般建物は、地下水位が高い場合は水の中に浸かっていることになります。地下ピットに常時水が溜まっているビルもあります。
また、ピットの内部にも水槽類が設けられます。汚水槽、雑排水槽、消火用水槽などです。昔は受水槽も地下ピット内に設置されていました。

(2)想定雨量50mm/hは想定が低すぎると思いますが、雨水排水管を太くできないのが事実であった場合にどのような補償・対策を求めるのがよいでしょうか。

・・・・今回の浸水事故は、接続部からの吹き出しですから、施工ミスであり、排水管の太さとは関係ありません。
集中豪雨で判断しにくかったかもしれませんが、共用廊下冠水時に、車路や駐輪場の雨水集水桝(格子状の桝で、周辺の雨水を集める桝)からは、溢れていましたか?また、車路が冠水し、機械駐車場に雨水が浸水しそうな状況でしたか?
機械駐車場は水に浸からなかったようなので、多分車路、駐輪場周辺は冠水していなかったと思います。
それにしても機械駐車場の排水ポンプはよく間にあったですね。
ということは、当マンションの雨排水設備のうち、排水管設備は、想定は50mm/hであっても、100mm/h以上の降雨時に問題なかったことが証明されたといえます。(廊下の冠水は別の原因です)
また、駐車場前の車路から、出入り口の車路を経由して、道路まで勾配がついていれば、配管径が細くて雨水が貯留槽に呑み込みきれなかったり、集水桝で吹き出したりしても、オーバーフローした雨水は道路側に流れてゆきますので、駐車場は安全と思います。(勾配と水の流れを確認してください。このようになっていると思います。)
要は、50mm/hで設計されようと、100mm/hで設計されようと、結果が全てです。
設計には幅と余裕があります。また、駄目だった場合の配慮がなされており、結果オーライならいいのではないでしょうか?
(実は、現役時代の小生は設計事務所に居りまして、このような場合は事業者側の立場でしたから、このような事は口が裂けてもいえませんでしたが、現在は中立な立場として発言しております)
雨水量に対する配管設計は、配管寸法と勾配によって大きく変わります。同じサイズでも、勾配が大きければ水は多く流れます。勾配10%は大きすぎる感じがしますが、結果から判断すれば、配管サイズはギリギリではなく余裕があったと思われます。
住戸内に浸水したり、大切な車が水に浸かったわけではないのですから補償云々はないでしょう。
対策については、後述するように事業者側の対応策は適切であると考えられます。
(以下後述)

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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2014年04月09日 17:54

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

回答の後半です。

(3)屋上の排水口(一部)を狭くする措置が取られていますが、屋上の排水用勾配は当初設計通りのため、 豪雨時に雨水が屋上に滞留することが予想されます。悪影響はありませんでしょうか。
 また、屋上の排水用の勾配を付けなおし、排水能力的に余裕がある縦樋へ多くの雨が流れるようにする工事は現実的でしょうか。
 (地下貯留槽へ入る排水管は2系統あり、片方は多少余裕がある設計となっているようです)

・・・・最近の集中豪雨時には、「ぐらすぼっくす」さん宅のような吹出し事例がたくさんあるようです。一時的に竪管に大量の雨水が流れ込み、1階のつなぎ目の隙間や桝で吹出すことがあります。公共下水が満水状態であったため、2階のバルコニーで吹出した事例も聞いています。対策としては、屋上からの雨水の流入を少なくすることが最も適切です。今回の場合は、シーリングを行ったため、共用廊下に噴出した雨水が、配管内に流れて雨水桝等で溢水する恐れもありますが、屋上で流量制限をするので問題ないでしょう。
影響があるのは、屋上の床加重と防水です。屋上の床加重は、人が乗らない場合の通常の設計条件で60kg/?です(要確認)。100mmの雨水は全部溜まることはなく、多少溜まっても長期荷重ではないので問題ありません。また屋上防水の立ち上がりは10cm以上あると思いますので心配要りません。竣工図にある詳細図で確認してください。
 屋上勾配を付け直しても今回以上の降雨時に有効であるかは不明です。工事のやりやすさを考えても現実的ではありません。

結論:以下により、デベロッパーの防水対策は適切であると判断いたします。
・今回の冠水の原因は竪管の共用廊下部分でのシーリング不備のための雨水噴出が冠水事故の原因ですから、シーリングの施工により、同様事故の再発は防止できます。
(シーリングさえしてあれば、今回は多分何もなかったかもしれません!、雨水集水枡であふれたとしても、道路側に流れていれば気になりません。デべ・設計者・施工者の検査時の手抜かりが惜しまれます)
・ただし、シーリングの結果雨排水が勢いよく枡まで流れるので、枡の蓋を持ち上げ吹き出す可能性はあります。
・しかし、屋上のルーフドレン部分で、流量調整を行うので、上記吹き出しの可能性は殆んどなくなるでしょう。
・雨水排水管にオーバーフロー管を設け、地下ピットに雨水を落とす案は排水桝からの、溢水を防ぐうえで有効ですが、どこにつけるかによって、効果のほどは変わります。

追加の考察
当マンションの雨水排水計画は、地域行政の指導の下に行われたと思われますが、若干の問題点と、改善の余地がありますので、今回の事故をきっかけに、改善案を行政に交渉してもらってはいかがでしょうか?

・雨が降るたびに、雨排水ポンプが動くのは、経済的ではない。
図面から判断すると、雨水は一旦貯留槽に貯めてからポンプで排水するようになっています。(確認してください)集中豪雨時は仕方ありませんが、通常の降雨時にポンプアップ排水するのは、入居者にとって負担となりますし省エネにも反します。南側の雨排水や、北側の車路(車の出入り口)の雨排水などは、直接放流したいものです。


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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2014年04月11日 17:22

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

追加の質問です。

降雨量50mm/hで設計したということですが、どこが50mm/h対応になっているのか、確認してください。
・屋上からの竪管・・・・50mm/hの設計条件ですが、実際は十分間に合っているものと思います。
各バルコニーの竪管と廊下の竪管を立ち上げると、小生の経験では100mm/h以上の対応になります。
・雨水貯留槽までの横管
この配管が2系統に分かれており、受け持ち面積から、このうちの西側系統が余裕がないとのことですが、受け持ち面積の許容値は50mm/hのものでしょうか、100mm/hのものでしょうか?(手持ちの資料と違うので・・・)
計算上50mm/hで余裕がない場合は、集中豪雨時には敷地内や、専用庭にあふれます。しかし、あふれても、敷地の勾配が道路側に向かって下がっていれば、既述のように敷地が冠水したり、駐車場に浸水することはないでしょう。今回は、そのようなことはなかったようですから、現状配管で間に合ったことが実証されたといえます。結果オーライではありますが、当初からそのように考えていたのでしょうか。
・貯留槽の雨水貯留量
50mm/hの分のみを貯留し、それ以上の分はオーバーフローさせる設計になっていたのでしょうか?
・敷地排水の処理について
車路等の集水桝の配置についても、50mm/hで設計したのでしょうか?

参考のためお伺いしますので、デベロッパーに確認してください。。


myph

ぐらすぼっくす

所在地:神奈川県
2014年04月16日 23:19

山本様

詳細なご回答ありがとうございます。
またさらに追加の質問を頂戴し、親身になって考えてくださり感謝しております。

まず順番前後しますが排水管の勾配10%は記号の読み間違いで10‰(パーミル)でした。
屋上の床加重は60kg/平米、屋上防水の立ち上がりは約300mmとのことです。

> 廊下のスラブから立ち上がっている配管に、上の階から立ち下ってきた配管が差し込んで
> あっただけで、シールされていなかったためその隙間から、吹き出たという理解でよろしいですね。


はい、その通りです。

> また、雨水の吹き出しは、1,2箇所だけではなく、東棟・南棟の竪管のあちこちからあったということですね?


はい、その通りです。

> オーバーフロー管をどこにつけたのか教えてください。


前記の未シール時に水が吹き出した縦樋が床下で横向きになりますが、その横樋の管の上部に穴を開けて、いったん上方へ立ち上がってから地下ピット床へ導くように逆さJの字のような形のオーバフロー管を、未シールだった縦樋につながっている床下横樋の8カ所に新設されました(東棟3カ所、南棟5カ所)。

地下ピットのポンプ排水は地下貯留槽には入らず、下水道へ直接流しているそうです。

> 共用廊下冠水時に、車路や駐輪場の雨水集水桝(格子状の桝で、周辺の雨水を集める桝)からは、
> 溢れていましたか?また、車路が冠水し、機械駐車場に雨水が浸水しそうな状況でしたか?


実は当日、小生は留守にしており、敷地内の駐輪場付近の枡から水があふれていたかどうか、また機械式駐車場前の車路の状況は不明です。

> ・雨が降るたびに、雨排水ポンプが動くのは、経済的ではない。


仰るとおり通常降雨の際も常にポンプアップ排水にて下水道へ流しており、よろしくない設計と思います。

> 追加質問
> どこが50mm/h対応になっているのか


新たに受け取った資料を添付いたします。
2系統ある排水管系統がそれぞれ50mm/hに耐える設計とのことのようです。

> 受け持ち面積から、このうちの西側系統が余裕がないとのことですが、受け持ち面積の許容値は
> 50mm/hのものでしょうか、100mm/hのものでしょうか?


50mm/hです。

今回添付した資料を受け取った際に機械式駐車場の排水ポンプと車路や敷地の勾配について尋ねました。
機械式駐車場の排水ポンプは車路に埋まっている排水管の枡へ向かってポンプアップ排水します。

車路は中央がへこんだ谷型の勾配が付いていますが、マンション敷地外へ向かう勾配はなく、車路の枡で水があふれて冠水すると機械式駐車場(地下に車が2段の深さ)へ流れ込み、排水ポンプは水が溢れた枡に向かってくみ上げるのでループ状態になります。

今回の集中豪雨は30分間程度と短く、雨の勢いはかなり強かったのですが総雨量が少なかったために広範囲に及ぶ冠水がなかったと想像します。

> ・貯留槽の雨水貯留量
> 50mm/hの分のみを貯留し、それ以上の分はオーバーフローさせる設計になっていたのでしょうか?


貯留槽から下水管へはおよそ25mm/hの勢いでポンプアップ排水し、貯留槽が満杯になった時点でオーバーフロー管から追加で下水道へ流す設計だそうです。ポンプアップ排水が25mm/hの勢いとなっているのは下水道局の規定です。

> ・敷地排水の処理について
> 車路等の集水桝の配置についても、50mm/hで設計したのでしょうか?


個別の枡の配置、サイズなどについては尋ねていませんが話の流れからそう理解しています。

添付資料を含めこれらの情報から、大雨が長時間降り続いたときに一番ダメージを受けそうな所や、お金を掛けて工事をするならここを強化すべしというアドバイスがございましたら頂戴できると幸いです。

また前回の書き込みで補償云々と書いたのは今回の冠水についてではなく、市の基準80mm/hという資料がある中で当マンションが50mm/hの設計となっており、将来、50mm/h以上(80mm/h未満)の雨が長時間降り続いて被害が出たときにどこまでデベロッパーが補償をしてくれるのか、また、20年、30年後というような先のことを考えるとデベロッパーが倒産していることもあるかと思いますので、それに備えて(改修工事以外に)今何ができるかという意味合いでございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2014年04月23日 09:10

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

回答が遅れて失礼しました。
整理します
1) 屋上に雨水を貯留することに関しては、問題ありません。
2) 50mm/h対応の横配管径が計算上余裕がないことについて。
・なぜ、行政の指導に従った設計にしなかったのかは不明です。多分配管径が大きくなりすぎるからでしょう。
・計算の根拠は不明ですが、横管150φは、ざっと見ただけでは特に細い感じはしません。今回の豪雨で廊下への溢水以外の被害がなかったのは、計算根拠に余裕があり、現時点で100mm/h以上の降雨に対応可能できたということになります。
・屋上での流入量の抑制、オーバーフロー管の設置により、50mm/h以上の降雨量に対応できるように改善されたといえます。

3) 地下ピット雨排水の公共下水への直接放流について。
・行政へ届けるかどうかは、微妙な問題です。詳細説明が必要でしたら、「特定のアドバイザーにプライベート相談する」から、ご相談ください。
4) 敷地排水について
・専用庭については、雨排水が呑み込みきれずに、溢水しても道路に向かって流れるでしょうから問題ありません。現地を確認してください。
・今回の豪雨時の、車路溢水の有無については不明ですが、車の浸水事故についてはお話がないので問題なかったものと想定します。状況については、自分が見なくても他の方に訊いてほしかったですね。尤も、集中豪雨で誰も外にはいなかったでしょうが・・・。
・車路部分のV字状は、北側の道路に続く車路への接続部分ではどうなっていますか?
説明するのが難しいですが、Vの駐車場側の山が、道路側の山より高ければ雨水は道路側に流れます。
現地の状況を見てください。
・駐車場前の車路に水が溜まる状況であれば、雨水が道路側の車路に流れるように、山の部分を削るか、溝を作る必要があります。


>添付資料を含めこれらの情報から、大雨が長時間降り続いたときに一番ダメージを受けそうな所や、
>お金を掛けて工事をするならここを強化すべしというアドバイスがございましたら頂戴できると
>幸いです。
・・・・現地も見ないで、これ以上のアドヴァイスは不可能です。また、今までの回答も含め無料相談の範囲を十分に逸脱しています。

デベロッパーが倒産しているとのことですが、別のデベロッパーが保障してくれるのですか?
珍しい事例なので、差しさわりなければ、「特定のアドバイザーにプライベート相談する」を使っていきさつを教えてください。デベの名前だけでなく、設計事務所、施工会社も教えてもらえれば参考になります。


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ぐらすぼっくす

所在地:神奈川県
2014年04月24日 21:02

山本様

お世話になっております。
無料相談の域を超えているとのご指摘ごもっともでございます。
詳細にご回答下さり誠にありがとうございました。
最後に頂戴したご質問にお答えして本件クローズとさせていただきたく存じます。

1)〜3)については承知いたしました。

4)敷地排水について
豪雨当日の敷地内の状況については、理事会を通じて情報収集をしましたが、残念ながら車路の状況を見た方がいなかったようで情報がなく先のような回答となりました。

駐車場前から公道へ向かう車路の勾配は、東向き棟の1F部分を通るところがもっとも高くなっており、そこから東西へ勾配が付いているため、駐車場前の車路が冠水した場合にこの水が公道側へ流れることはありません。ご指摘の通り、溝を掘るなどするしかないと思います。

最後にデベロッパーの補償についてですが、現時点でデベロッパーが倒産しているわけではございません。

50mm/h対応の設計に今回の追加対応をしてどれだけの排水能力となったのか判断しかねる状況ですので、20年後、30年後といった将来に冠水事故が起きたとして、(当初の設計水準が低かったとしても)デベロッパーが潰れていたら補償を求める先がありませんので、新築から間もない今のうちに工事以外の形で将来の事故についての補償などをデベロッパーと話し合うというのもありえるのか、という意味です。

大変親身にアドバイスを下さり参考になりました。
ありがとうございます。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者